はじめに
メカニカルキーボードのスイッチを使った、カチカチ押せるキーホルダーを見つけました。
単純なものですが、こういう無駄に押したくなるものは結構好きです。
そこで、手元の3Dプリンタを使って、MX互換スイッチを取り付けられる自分用のキーホルダーケースを設計してみることにしました。
スイッチとキーキャップは市販品を使用し、ケース部分はスイッチの寸法をもとに一から作ってみます。
今回は4キータイプです。
用意したもの
今回使ったのは、メカニカルキーボード用のスイッチとキーキャップです。
メカニカルキーボード用のスイッチ
スイッチは青軸タイプを用意しました。

キーキャップ
キーキャップは透明タイプです。

メカニカルキーボード用のスイッチにキーキャップをかぶせると?
キーキャップを付けると、こんな感じになります。

キーボードとして使うわけではないので、配線や基板は不要です。
単純に、スイッチを押したときのクリック感を楽しむだけのキーホルダーです。
キーホルダー本体は3Dプリンタで作る
今回は、MX互換スイッチを4個並べて固定できるケースを3Dプリンタで作ることにしました。
ケースを設計するにあたり、スイッチの取付寸法やキー同士の間隔を基準に、持ち歩きやすい形を考えていきます。
今回はChatGPTと相談しながら、試作用の3Dモデルを作成しました。
作成したSTLファイルをFusion 360で開いて確認したものがこちらです。STLデータを読み込んでいるため、Fusion 360上では三角形のメッシュ線が表示されています。

最初の案は、スイッチを固定するためのプレートを中心にしたシンプルな構造です。
4つのスイッチ取付穴とキーリング用の穴を設けています。
ただ、3Dモデルを横から確認してみると、この形ではスイッチ本体の厚みをほとんど覆うことができません。
スイッチの下側や端子部分がそのまま露出してしまうため、キーホルダーとして持ち歩くには少し心配です。
そこで、スイッチの固定部分だけではなく、スイッチ本体を収めるケースとして作り直すことにしました。

改良版では、スイッチを固定する上面に加えて、側面と底面を追加しました。
これによって、スイッチ本体の下側をケースの中に収められる形になります。また、底面にはスイッチ端子との干渉を避けるための逃げも設けています。キーリング部分はケース本体と一体化し、持ち歩いたときに力がかかっても折れにくいよう、ある程度厚みを持たせました。
見た目はかなり厚くなりましたが、まずは強度とスイッチの保護を優先して、この形で試作してみることにします。
スイッチの寸法
今回使用したスイッチはMX互換サイズを想定しています。
設計値は以下のようにしました。
- スイッチ取付穴:約14.1mm角
- キーピッチ:19.05mm
- 上面プレート厚:1.6mm
- ケース深さ:10mm
- 底面厚:1.8mm
3Dプリンタでは、設計寸法通りに必ず出力されるとは限りません。
穴がきつすぎたり、逆に緩すぎたりする可能性があります。
そのため本来であれば、14.0mm、14.1mm、14.2mmなど複数サイズの穴を作ったテストパーツを先に印刷して確認すると確実です。
今回は14.1mmで試してみることにしました。
3Dプリンタで印刷
STLファイルをスライサーに読み込んで印刷します。

今回は試作品なので、一般的な設定で印刷しました。
- レイヤー高さ:0.2mm
- インフィル:20〜30%程度
- 外周:3周程度
- サポート:なし
底面を下にして、そのまま印刷できる形にしています。

印刷完了
印刷したものがこちらです。

……としたいところですが、今回はすぐにスイッチを取り付けてしまいました。
4個の青軸スイッチを差し込んでみます。

想像以上にきれいに収まりました。
穴のサイズもほぼちょうどよく、スイッチをしっかり固定できます。
横から見るとこんな感じです。

スイッチ下部がケースの中に収まっているため、キーホルダーとして持ち歩いても引っ掛かりにくい形になりました。
底面には端子逃げを作成
底面には、スイッチ端子との干渉を避けるための逃げとして穴を設けました。
ただ、実際に組み立ててみるとケースに十分な深さがあり、端子は底面の穴まで到達しませんでした。
今回の形状では必須ではなさそうですが、今後ケースを薄くする場合には役立ちそうです。

キーキャップを取り付ける
最後に透明キーキャップを取り付けます。

1個だけ付けてみても、なかなかそれっぽいです。
全部取り付けるとこうなりました。


キーキャップを4個取り付けると、かなりキーホルダーらしい形になりました。
青軸なので、押すと、カチッ、カチッという気持ちのよいクリック感があります。
もちろん何の役にも立ちません。
でも、つい押してしまいます。
こういうものはそれでよいと思います。
実際に作ってみて
今回はかなり単純な工作ですが、3Dプリンタとの相性がよい題材でした。
特によかったのは、スイッチとキーキャップは市販品を利用し、それを固定するケースだけを用途に合わせて自分で設計できるところです。3Dプリンタなら、ケースの厚さやキーリング部分の形なども自分の使い方に合わせて変更できます。
実際に作ってみると、スイッチの固定具合も問題なく、ケースの厚みも十分でした。
一方で、実物を見るとケース全体は少し厚めです。
試作のつもりで作った割にはいい出来でした。
娘に見せたら、召し上げられました。
持ち歩いてみて問題がなければこのまま使いますが、今後、以下の改良も面白そうです。
- ケースを少し薄くする
- キーリング部分を小型化する
- ロゴや文字を入れる
- 色違いで印刷する
- 1キー、2キー、3キー版を作る
まとめ
今回は、MX互換の青軸スイッチを使って、4キーのキーホルダーを作ってみました。
スイッチとキーキャップさえ用意すれば、本体は3Dプリンタで簡単に作れます。
電子工作というほど難しいものでもなく、はんだ付けも配線も不要です。
3Dプリンタで何か小物を作ってみたい人にも、ちょうどよい題材だと思います。
